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SBIトレーサビリティ株式会社様

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Kiroによる仕様駆動開発を適用したPortal保守高度化

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SBIトレーサビリティ株式会社は、ブロックチェーンとICタグ(NFC/RFID)を組み合わせたトレーサビリティサービス「SHIMENAWA」を提供し、サプライチェーンの透明性や真贋証明を実現するソリューションを展開しています。
同社は、商品の生産から流通までのプロセス情報を信頼性高く可視化し、「情報の非対称性の解消」や企業の説明責任の強化といった社会課題の解決に取り組んでいます。

1. Kiroを活用した仕様駆動開発採用とその背景

SBIトレーサビリティでは、サービス拡張に伴い各業務システムとそのPortalシステムおよび関連アプリケーションの保守・開発が継続的に行われています。一方で機能追加および改修が継続する中での設計・実装の整合性維持の難しさ、保守フェーズにおける仕様のブラックボックス化リスク、エンジニア間での認識差異やレビュー負荷の増大、と言った課題が顕在化していました。

これらの課題に対して、CACよりKiroを活用した仕様駆動開発(Spec Driven Development)を提案し、採用いただきました。

Kiroとは

Kiroは、コンセプトからプロダクションまで、AIエージェントとの作業を簡素化した開発者体験を通じて開発を支援する、AWSのAI IDE(統合開発環境)です。仕様(spec)やフック(hook)などの機能を使い、プロトタイプをプロダクションシステムへ移行することを強みとしています。

2025年11月に一般提供を開始した比較的新しいサービスで、仕様駆動開発(Spec Driven Development)を中核としています。

Specファイル

  • ①requirements.md  EARS記法※での要件整理
  • ②design.md  構造やデータフローなど実装方針
  • ③tasks.md  要件/設計を基に実装に必要な作業をToDoリストに分解

※EARS記法…要求仕様を自然言語で一貫して表現するための記法。 誰が書いても、誰が読んでも、解釈のズレが起きないようにシステム要件を書くためのテンプレート

従来のAIコーディングツールは開発者個人の効率向上に特化し、品質や設計の一貫性は個人依存となりがちです。一方、Kiroを活用した仕様駆動開発の特長として、要件定義からタスク分解までカバーし、属人化を防いでチーム単位等での品質と整合性を確保します。

また、KiroはAWS基盤上で動作するため、ユーザー管理・データ統制を一元化して、AWS基盤でのセキュリティを確保した容易な導入が可能です。また、Kiroの利用料をAWSのものとまとめて、請求書支払処理を一本化することで、事務負荷の軽減も可能です。

2. 対象システム構成と保守業務での開発フロー

SHIMENAWAにおけるPortal構成

SHIMENAWAにおけるPortal構成

保守業務における開発フローは、AIを活用して定義しています。このフローでは、Kiroの仕様駆動開発を利用して、AIを用いて設計・実装・テスト・各工程のレビューを実施することで、AIによる作業と人による確認を繰り返すフローとなっています。

現在の開発フローをベースにAIによる自動化を行っていますが、各工程で開発者レビューおよび再鑑者レビューを実施することで、最終的な判断は人が行うプロセスとしています。

デプロイについては、GitHub MCP※ を使用して CI/CD(GitHub Actions)を組み合わせています。それにより、設計からデプロイまでの保守開発を一貫して自動化しています。

保守業務の開発フローをKiroで定義

※MCP…AIエージェントが外部のツールやデータベースと対話するために開発された共通規格(プロトコル)

3. 今後の展開と期待効果について

SBIトレーサビリティで実際に業務に利用されているPortalを対象にして、Kiroによる仕様駆動開発の適用を始めて4ヶ月が経過しました。試行錯誤しながらも、既に設計・実装の整合性向上、仕様の可視化やエンジニア間の認識統一が進み、レビュー負荷の軽減といった効果があらわれています。今後は対象とするテストの拡大や他システムへの横展開、要件定義工程でのKiro活用を図っていきます。

更にKiroによる仕様駆動開発を保守開発だけでなく、新規サービス開発や運用改善領域へも拡大していく予定です。要件定義から設計、実装、テスト、CI/CD、運用監視までをAIと人が協調して推進することで、継続的な品質向上と開発スピード向上の両立を目指します。

また、蓄積された仕様・設計・運用ナレッジをAIが活用することで、属人化の解消、監査対応の効率化、さらには自律的なシステム改善の実現も期待されています。デプロイ後のCloudWatch監視、性能分析、コスト分析、セキュリティ監査、障害解析までAIエージェントが実施し、その結果を次回の要件や設計へフィードバックする形です。AWS DevOps Agentの考え方に近く、運用データをAIが学習し、改善提案や自動修正まで実施する運用モデルが想定されています。このような新たな取り組みを検証して取り入れ、継続的に発展させていきたいと考えています。


※記載の会社名及び製品名は、各社の商標または登録商標です。
※本事例の内容は2026年時点のものです。

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