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AWS基盤での入出荷・在庫管理アプリケーションを構築

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SBIトレーサビリティでは、在庫精度の向上と棚卸し差異率の改善による入出荷・在庫管理の業務効率化とコスト削減をはかるサービスを、酒造会社等に向けて提供しています。
サービス提供のための入出荷・在庫管理アプリケーションは、CACの持つ入出荷・在庫管理等の流通業への知見と、アマゾン ウェブ サービス (AWS)サーバレス開発のノウハウを活かして構築されました。
本構築プロジェクトについて、CAC選定の決め手を含めた振り返りから今後の展望まで、取締役CTO齋藤 陸 氏にお話を伺いました。

1. 構築前の課題

―入出荷・在庫管理のアプリケーション構築に至った背景には、どの様な課題があったのでしょうか?

SBIトレーサビリティのサービスを提供している酒造会社において、模倣品によるブランド価値毀損対策として、真贋証明のためのタグ活用の取り組みが進められていました。しかし、実際の生産・出荷状況の可視化には課題があり、どこで何本の瓶が存在しているかといった情報は現場の手作業に頼っている状況でした。
このような背景から、個品単位での流通管理を可能にする仕組みとして、RFIDタグを活用した入出荷・在庫管理のアプリケーションを構築することとなりました。タグを活用することで、倉庫内や生産現場の在庫状況をリアルタイムで把握し、業務効率化とトレーサビリティの向上を目指すシステムの構築を進めようとしていました。

2. CAC選定の決め手について

―そのような課題に対して、CACと構築プロジェクトを進めることとなった決め手はどの様なものでしたか?

CACには既にSBIトレーサビリティの他システムのAWS移行やブロックチェーンのプロジェクトの実績がありました。
加えて、物流に関する業務知識が豊富なCAC技術担当のご提案により、サプライチェーン全体を管理するWebシステム開発にも対応可能であるという安心感がありました。

3. 構築について

―振り返るとどの様な構築プロジェクトだったでしょうか?

入出荷・在庫管理アプリケーション構築にあたっては、プロジェクトが進行するにつれて拡大し、様々な課題が発生しました。

  • ・業務要件の拡大

    初期段階では「タグを読み込んで、どこにあるかを把握する」といったシンプルな構成での想定だったが、現場での実用性を重視し、段階的に機能を拡張。

  • ・現場重視の設計

    入庫・出庫のオペレーションに人手が介在する前提で、現場の業務に即した機能を優先的に実装。

  • ・他チームとの連携

    周辺アプリケーション開発や、複数チームとの協働連携が必要となり、プロジェクトの対応範囲が拡大。

―その様な課題に対してCACのサポートはいかがでしたでしょうか?

CAC技術担当には、拡大するプロジェクトを適切にマネジメントいただくとともに、物流業務の知見を活かして、在庫管理の観点からも適切なタイミングで的確な提案をいただき、プロジェクトは当初描いていた目的と大きく逸れることなく進行しました。

4. AWSサーバレス構成による効率的なシステム開発

入出荷・在庫管理アプリケーション構築にあたってはAmazon API Gateway と AWS Lambda を組み合わせた サーバレスアーキテクチャ採用により、インフラ管理の負担を軽減しつつ、以下のような効果を実現しています。

  • ・コスト最適化

    リクエストベースの課金モデルにより、使用量に応じた柔軟な料金体系が可能となり、アイドル時間のインフラコストを削減できます。

  • ・運用保守性の向上

    サーバ管理が不要なため、パッチ適用やスケーリングなどの運用作業が自動化され、開発者はアプリケーションロジックに集中できます。

<システム構成図>
システム構成図

5. 今後の展望について

―今後の展望についてお聞かせください

入出荷・在庫管理アプリケーションは、今後さらなる機能拡張と連携強化を視野に入れています。流通管理に必要な機能を段階的に追加し、販売管理や顧客の既存システムとの連携を可能にすることで、業務全体の効率化を図ります。また、現行のRFIDタグに加え、IoTデバイスやその他のハードウェアからのデータ取得も展望しています。

中小酒造やメーカーの方には、身近な課題として関心を持っていただきやすく、この入出荷・在庫管理アプリケーションをSBIトレーサビリティの他のサービスのフックとしていきたいです。また、現物資産のデータ化が今後の鍵となります。本プロジェクトは、現場の課題に寄り添いながら、技術と業務の両面から解決策を提供することができました。ステークホルダーが増える中での連携も円滑で、新しい展望を描けるようになったのは大きな成果です。

―本日は貴重なお話をありがとうございました


※記載の会社名及び製品名は、各社の商標または登録商標です。
※本事例の内容は2025年時点のものです。

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