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SBIトレーサビリティ株式会社様

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IaCを用いたAWS環境構築と移行を実施
Amazon ECS on Amazon Fargateを活用したインフラとCI/CD開発環境を実現

ユーザー企業紹介

SBIトレーサビリティ株式会社様

SBIトレーサビリティ株式会社は、ブロックチェーン基盤の「Corda(コルダ)」を活用したトレーサビリティ・サービス「SHIMENAWA(しめなわ)」を開発し、透明性の高いサプライチェーン環境を提供しています。 グローバルに「SDGs」や「責任あるサプライチェーン」などの概念が重要性を増し、単に商品のスペックや価格だけでなく、その商品が適切な原材料、生産環境、またはプロセスを経て作られ、流通してきたものか、環境に良い商品なのかどうかが、消費者の購買行動を大きく左右する時代に、社会的課題である「情報の非対称性(売り手と買い手の間にある情報の格差)」の解消や「企業のアカウンタビリティ(説明責任)」を実現する価値を提供しています。
今回は、IaCを用いたAWS環境構築と移行の実施にアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)および株式会社 シーエーシー(以下、CAC)を採用された経緯について、SBIトレーサビリティ株式会社 代表取締役 輪島 智仁様、同社取締役 CTO 齋藤 陸様にお話を伺いました。

1.AWS移行プロジェクトの背景

SBIトレーサビリティ株式会社(以下、SBIトレーサビリティ)は、業務アプリケーションの整備拡張が必要な状況となっていました。SBIグループ内のベンチャー企業として限られたリソースの中でより業務を拡大するにあたって、今後の拡張を志向した開発要員の技術スタックを考慮した際に、他クラウドでは制限が大きい面もあり、AWSへの基盤移行を検討していました。
また、SBIトレーサビリティのグループ会社であるSBI ホールディングス株式会社が、2022年12月にAWSを推奨クラウドプロバイダーに選定したことを発表し、AWSとの連携で SBIグループの事業シナジー最大化を図っていく方針を明らかにしました。そのような状況を受けて、SBIトレーサビリティでは、デジタル化・アプリケーション対応の範囲を広げるとともに、今後の一層の拡張を企図して、システム基盤を他クラウドよりAWSへ移行することを決定しました。
そして、AWS基盤への移行のパートナーとして、金融機関向けのAWS構築・運用実績も豊富で、ブロックチェーン基盤「Corda」パートナーでもあるCACを選定し、プロジェクトを開始することとなりました。

2.プロジェクト推進について

タイトなスケジュールの中でも着実に状況調査と整理を行い、IaCを用いた効率的な環境構築を実現

並行して開発する業務アプリケーションのリリースと合わせて2023年6月中にAWSへの移行を完了させる予定で、2023年1月の開始から期間6ヵ月というタイトなスケジュールでした。
その様なスケジュールの中でも、確実な基盤移行のため前半の3ヵ月で、複雑になっていたシステムの状況調査・整理を実施しました。並行して、AWS移行後のインフラ構成とアプリCI/CDの方針の検討、検討したシステム構成についてのPoCを行いました。
後半の3ヵ月は、構築作業と並行して移行手順検証、移行計画作成など移行に向けた準備を行いました。
移行手順検証の中で実施したDB移行検証では、データリストア時に様々なエラーが発生しました。異なるクラウドサービス間でのデータ移行、かつ、マネージドサービス間でのデータ移行特有の権限関連のエラーが主なものでしたが、試行錯誤しながら解消しました。また、動作確認時にはCorda固有のテストケースを実施する必要があり、通常のデータ移行よりも手間をかけてテストを行いました。

<プロジェクトの実施スケジュール>
図説

インフラ環境構築については、TerraformとGitHub Actionsを利用し、IaC(Infrastructure as Code)で環境構築を行いました。IaCによる環境構築で、開発、UAT、本番と3つの環境について、効率よく構築を行うことができました。

3.インフラ構成とアプリCI/CD環境のポイント

Amazon ECS on Amazon Fargateを積極活用したコンテナでのインフラ環境と、開発者の負荷を軽減するCI/CD環境を構築

コンテナでのアプリを構築前提としており、AWSのコンテナオーケストレーションのマネージドサービスであるAmazon ECS(以下ECS)を利用する構成としました。Amazon ECS on Amazon Fargateを積極的に採用し、インフラ運用負荷を軽減する構成としました。

齋藤 陸 様
取締役 CTO
齋藤 陸 様

アプリ開発者に、AWS移行後においてこれまでの開発との差異を極力感じさせないようにすることを心掛け、対応を行いました。
これまでのシステムでは、アプリのCI/CDにGitHub Actionsを利用していました。AWS移行後も引き続きGitHub ActionsでアプリのCI/CDを行うこととし、同レベルのアプリのCI/CDが行えるよう設計・構築を行いました。
また、これまでのシステムのアプリのデプロイでBlue/Greenデプロイを行っていた部分については、GitHub ActionsのワークフローでCodeDeployと連携し、CodeDeployを使用したECSのBlue/Greenデプロイを利用しました。これによりAWS環境でも同様に、アプリのBlue/Greenデプロイを実現しました。

4.AWS移行プロジェクトの成果

プロジェクト推進にあたっては、ミーティングではCACメンバーが論点をまとめて整理してくれていたため、信頼してお任せすることができ、順調に進めることができました。 Cordaを利用した基盤を移行するという、ブロックチェーン領域での難しさのあるプロジェクトで、特に環境面については問題も発生しうるだろうと予想していましたが、実際は大きな問題もなく、スケジュール通りのAWS移行が実現できました。
また、本番リリース後にもインフラ起因での問題はなく、自社(SBIトレーサビリティ)の担当範囲に集中することができました。
AWSとCordaについて、それぞれの知見や経験が豊富なCACメンバーが参画したメリットが、大きく活かされたプロジェクトだったと考えています。

5.今後の展開について

SBIトレーサビリティで本番稼働をしている全てのアプリケーションをAWSへ移行したため、今後新しく作成するアプリケーションもAWSでの稼働となります。今後のシステム戦略で大きな鍵になる部分の整備ができました。
既にAWSに移行した効果を実感しており、何が動いていてコスト的にどのようになっているかの把握が容易になり、管理の負荷が大幅に小さくなりました。データ抽出もAWS移行前に比べてやりやすくなっています。
また、CACメンバーがドキュメントを整備してくれたため、メンテナンス性が向上しています。開発者は良い意味で基盤移行による変化を意識することなく、今後の拡大に向けた環境を手にすることができたと言えます。
今後はAWS移行によって整備されたシステム基盤を最大限活用し、SBIトレーサビリティの新たなビジネス展開を加速していきます。

<システム構成図>
図説

SBIトレーサビリティ株式会社様 URL
https://www.sbitraceability.co.jp/

SBIトレーサビリティ株式会社様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

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