CACのAWS導入支援サービス「enterpriseCloud+」

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導入事例

株式会社CACクロア様

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「enterpriseCloud+」を活用することで、AWSの可用性、利便性を最大限に活かした利用が可能に。CSVに対応した医薬品開発支援のコラボレーションスペースを実現しました。

【課題】CSVに対応した医薬品開発支援のコラボレーションスペースを実現したい

enterpriseCloud+を利用しているシステムについて教えてください。

製薬会社とCROである当社が、アマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)上で協働して作業を行う医薬品開発支援のためのソリューション「i-Clinical(アイ・クリニカル)」を、CACのenterpriseCloud+を利用して運用しています。

i-Clinicalを利用することで、お客様はどのようなメリットがあるのでしょうか。

医薬品の開発には、膨大な手間、時間、人的リソース、コストがかかります。また、薬事法やGCP(臨床ルール)などの各種規制の遵守、 CSV(Computerized System Validation:人間の生命に影響を与える医薬品や医療機器などの開発から製造において使用されるコンピュータ化システムが、正しく開発され導入さ れ運用されることを保証すること)対応をしなければなりません。i-Clinicalサービスをご利用いただくことで、医薬品開発支援におけるITに必要 な安全、安心なインフラをご利用いただけますので、次のような効果が期待できます。


i-Clinical

システムインフラにAWSを選択した理由を教えてください。

i-Clinicalは、「クラウド上に構築された仮想の製薬会社」を実現するコラボレーションスペースです。医薬品の開発に必要な臨床開発から申請、安 全性情報管理、製造販売後調査業務などをクラウド上で、ワンストップで支援することをめざしています。システムの運用負荷や管理に煩わされることなく、い つでもどこでもi-Clinicalにアクセスすれば仮想のコンシェルジュの支援を受け、必要となるドキュメント等を即座に取り出したり、便利な道具箱か ら必要なツールを取り出したりするなど、申請業務そのものに注力していただく環境を実現します。

ドキュメントを含めた必要情報は、CACクロアにより常に最新かつ最適な内容にアップデートされているため、正/副管理の負荷が軽減され、システム基盤のバリデーション管理も容易になります。

現時点ではメディカルライティング、申請業務支援、当局対応等の申請関連ソリューション・サービスを展開していますが、今後、臨床開発から製造販売後、安全性情報管理まで薬事関連サービスを統合して提供していく予定です。

  • どこからでも、セキュリティーが確保されたi-Clinical環境で業務を推進できるだけでなく、メールやデータの授受などで情報を危険にさらすリスクを低減しつつコラボレーションのスピード化を実現。
  • 高額なため利用できなかった業務ごとのアプリケーションや、一時的に利用したいアプリケーションを自社で所有することなく、必要なときだけ従量制でスピーディに利用可能。
  • データ保存領域やサーバー能力を瞬間に拡張できるため、業務量やビジネスの段階に応じたシステム構成を安定的に維持可能。
  • システム運用要員、サーバーのための設備・機械、ソフトウェアのライセンス/バージョン管理などの負担を軽減し、コア業務に集中できる環境を実現。
  • 情報整備や各種の規制対応など、医薬品開発支援のITに必要なCSVに対応したインフラを整備済みなので、CSV対応にかける時間とコストの削減を実現。

【選んだ決め手】AWSとeC+により、CSV対応に必要なシステム要件および運用不安をクリア

総合企画部 情報企画室長 安藤 拓哉氏

総合企画部 情報企画室長 安藤 拓哉氏

システムインフラにAWSを選択した理由を教えてください。

i-ClinicalのシステムインフラとしてAWSを選んだのには、「クラウドサービスとしてのメリット」、「CSV対応するために必要なシステム基本要件を有している」、「enterpriseCloud+によるAWS利用に関する運用負荷や不安の解消」という3つのポイントがあります。詳細は次の通りです。

【選定理由1】クラウドサービスとしてのメリット

AWSだけでなくクラウドインフラ全般に言えることだと思いますが、自社で物理的なサーバーを所有・管理する必要がなく、必要なときに、必要なサーバーリソースを、迅速に用意して、活用できるというのがAWSを採用した最大のポイントになります。

i-Clinicalは仮想のコラボレーションスペースですので、サービスの利用者数やシステム負荷の増減があります。あらかじめ余剰なサーバーリソース を確保せずに、お客様の変動や要望に合わせてサーバーリソースを素早く最適化できるのは有用です。また、社内の開発チームに対してもテスト環境や開発環境 をすぐに用意して、不要になればすぐに削除できるのも良いところだと思います。

【選定理由2】CSV対応するために必要なシステム基本要件を有している

AWSは、さまざまなクラウドサービスがある中で、機能、実績、信頼性、セキュリティーのどれを比較しても基本的なシステム要件は申し分ありません。さら に、AWSは米国の政府機関や国内の大手医薬品メーカーでも採用されており、市場でのリーダー的位置づけのクラウドであることから、将来にほかのサービス と連携する際も容易だと考え、採用しました。 

しかし、i-Clinicalを展開する上では、基本的なシステム要件に加えてCSVへの対応が重要なポイントとなります。

AWSからCSVに対する直接的なドキュメントは提供されていませんので、公開されている資料を参考に、製薬会社が対応すべき法規定やグローバルスタン ダードのガイドラインに基づいて対応することになります。AWSでは、どのように対応されているのか、AWSだけでクリアできない項目については、別の方 法や運用で対応できると言えるかどうかを、当社ですべてマッピングして検証し、必要に応じて対策も実施しました。また、CACに対しては、 enterpriseCloud+サービスとしてどのような運用をしているのか、どのようなドキュメントを残しているのか、などを確認するための質問票を投げて確認しました。

その結果、社内の独立第三機関である薬事監査室のCSVに関する審査もクリアし、お客様にエビデンスとして検証事項を開示する準備もできており、安心してi-Clinicalご利用いただける環境を実現しました。

当社で検証を行った結果、CSV対応のシステムを作る上でAWSは問題ないと考えています。

【選定理由3】enterpriseCloud+によるAWS利用に関する運用負荷や不安の解消

AWSは日進月歩で機能や仕様が進化しており、サービス提供開始当初はAWSに不慣れなこともあり、スムーズに構築ができるのか、運用を最適化できるのか という不安がありました。また、それを解消するために手間やコスト、時間を費やしていてはAWSのメリットを最大限に享受できず、かえって割高で俊敏性を 欠くことになってしまいかねないという危惧もありました。
しかし、 AWSをプライベートクラウドとして構築・運用・監視する基本的な機能をセットで実現する「enterpriseCloud+」を活用することで、不安事項や懸念事項は概ね解消できると判断しました。

【構築のポイント】高品質な環境をいつでもすぐに構築する為、eC+のあらかじめ用意されたサーバテンプレートや運用機能設定を活用

CACクロアにおいて、enterpriseCloud+を利用したメリットがあれば教えてください。

総合企画部 情報企画室 岸本 直樹氏

総合企画部 情報企画室 岸本 直樹氏

i-Clinicalは機密情報を取り扱います。そのため、Amazon Virtual Private Cloud(以下、Amazon VPC)を設定する必要があったのですが、あらかじめ設計されているテンプレートとVPNに関する設定済みの機器を貸し出してもらえるので、手間と時間をかけずにAmazon VPCを実現できました。

また、初期設定に関しては、利用目的別にサーバーのテンプレートを用意してもらえたので、当社で実施するアプリケーションの設定までにかかる時間が、サーバー起動後、数十分で可能となりました。そのため、新規のお客様用のサーバーはもちろん、テスト環境なども本番環境と同じ条件でインフラ運用担当チームへの依頼が実現し、、開発チーム側の作業がスムーズに実施できます。

クラウドの世界では、以前のように時間をかけてシステムを立ち上げるといった感覚ではなく、すぐに使えるという認識でいますので、そのような要望にも柔軟に対応できる体制を実現できた意味は大きいと思っています。

運用面に関しては、いかがでしょうか。

あらかじめ用意されているこのような設定や機能をそのまま利用できるので、新たに開発する手間やコストが不要になり、ほかのシステムでも稼働実績があるので信頼性も高いと考えています。特に、enterpriseCloud+に既に実装されていたセキュリティー権限設定ツールは、特定のリソースに対してのみ開発側に起動停止などの権限を渡すことができ、便利に使っています。
また、バックアップ機能も用意されており、スケジュールを設定すれば定期的に実行されるので、手順を自動化したり、簡素化することができ、オペレーションミスも防ぐことができます。このようにミスが起こりにくい環境でi-Clinicalを運用しているということは、i-Clinicalをご利用いただく企業への品質の一定化という面でのアピールにもつながっています。

【成果】AWSを意識せず、コア業務に集中できる環境を実現

今回のプロジェクトに関して、CACについての評価をお聞かせください。

i-Clinicalの構築・運用に関して、CACのインフラ運用担当チームがインフラの設計から構築・運用まで担当してもらえるので、とても助かっています。開発時の状況や設定などをすべて把握しているため、設定の変更を依頼したり、疑問点などがあっても、やり取りがスムーズだからです。
インフラ運用に関して何かあったときは、CACに臨機応変に対応してもらえるという安心感もあります。運用のことは気にせず企画や設計といった本来取り組むべきコア業務に集中できるのは、とてもありがたいことです。

上記は、主要部分の抜粋になります。
全文をお読みになりたい方はPDFファイルをダウンロードしてください。

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